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新興国ニュース

<新興国eye>カンボジア、前払い法人税を撤廃へ

2019-06-21 16:57:00.0

 5月29日、フン・セン首相は、東京で行われた「カンボジア投資セミナー」で講演し、前払い法人税の撤廃を宣言しました。撤廃の時期について、フン・セン首相は「19年末かそれよりも早く、大臣令で発表される」と述べたとのことです。

 今回フン・セン首相が撤廃を約束したのは、毎月の売上高の1%を月次で申告納付しなければならない前払い制度です。この制度に基づき支払った法人税の総額は、年度末に算出する要納税額から差し引かれることとなります。しかし、前払い総額が年度末に算出する要納税額を超える場合であっても、納税分が還付されることはないため、赤字企業であっても法人税を払わなくてはならず、負担となっていました。また、毎月支払う必要があるため、資金繰りに苦慮する企業にとっては大きな負担となっていました。

 カンボジア日本人商工会(JBAC)は以前から、日本・カンボジア官民合同会議などの場で、前払い法人税の撤廃などの要請を行っていました。また、JETRO(日本貿易振興機構)の佐々木伸彦理事長も、今回のセミナーに先立って行われたフン・セン首相との会談において、同首相に対し当該制度の改善を指摘していたとのことです。

 18年の選挙がらみの強権的対応を欧米から厳しく批判されているフン・セン政権は、19年に入って、投資環境改善に向けた様々な対応策を打ち出しており、今回の発表もその一環と見られます。

【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社