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<新興国eye>インドネシア中銀、政策金利を現状維持―7会合連続
2019-06-21 12:34:00.0
インドネシア中央銀行(BI)は20日の理事会で、主要政策金利の1週間物リバースレポ金利を6.00%に据え置くことを決めた。市場の予想通りだった。
また、過剰流動性を吸収するための翌日物預金ファシリティー金利(FASBIレート)も5.25%に、翌日物貸出ファシリティー金利も6.75%に据え置いた。
中銀は17年10月から18年4月まで7会合連続で政策金利を据え置いたが、同5月ごろからルピア安が急速に進行したため、ルピア安と国内からの資金流出の阻止を狙って、5月の定例会合と同30日の臨時会合に続いて、6月、8月、9月、11月と、18年だけで計6回の利上げを実施。利上げ幅は計1.75ポイントに達した。18年12月から据え置きに転じており、現状維持はこれで7会合連続となる。
また、今回の会合では、政策金利を据え置いたが、金融システムに適切な流動性を供給するため、市中銀行が中銀に預けるプライマリーリザーブ(第1線支払準備金)の準備率を7月1日から0.50ポイント引き下げることを決めた。ルピア建て預金については通常の商業銀行は6.5%から6.0%に、また、シャリア銀行(イスラム法に則って銀行業務が行われるイスラム系銀行)は5.0%から4.5%となる。ただ、セカンダリーリザーブ(第2線支払準備金)と呼ばれる、市中銀行が中銀債(SBI)や国債(SUN)、預金などで最低限の積み立てが義務づけられている準備率は3.0%に据え置かれた。
中銀は会合後に発表した声明文で、現状維持を決めたことについて、「世界貿易摩擦の激化により、世界貿易量が減少し、米国や中国など多くの国の経済成長が鈍化している。また、貿易摩擦の激化で新興国から先進国に投資資金が流出(質への逃避)し、世界の金融市場の先行きの不透明感が一段と高まっている」と世界貿易摩擦がインドネシア経済の不安定要因との見方を示した。
その上で、今後の金融政策について、中銀は前回5月会合時と同様に、「世界の金融市場の動向やインドネシア経済に影響を及ぼす外部要因の安定について引き続き注視し、インフレを抑制し国内景気を刺激するため、政策金利を引き下げる必要があるかどうかを検討する」と景気に配慮する方針を示した。
景気見通しについては、「4−6月期のインドネシアのGDP(国内総生産)伸び率は輸出の低迷により鈍化している」とし、景気の先行きに懸念を示した。その上で、中銀は19年の成長率を「5−5.4%増のレンジ予想の中心値5.2%増を下回る」とした。
インフレの見通しについては、「5月のインフレ率は前年比3.32%上昇と、4月の同2.83%上昇から加速したが、インフレ率は依然低く抑制されている」とし、前回会合に続いて楽観的な見方を示した。その上で、「われわれはインフレ率が19年の物価目標(3.5%上昇プラスマイナス1%)の中心値を下回る低水準で安定するよう政府との政策連携を強化し、物価安定策を継続する」とした。
これまで利上げの根拠となっていた通貨ルピア相場の下落懸念については、「6月のルピア相場は5月に比べ平均で0.69%上昇(ルピア高)した。6月のルピア高は米信用格付け大手S&Pグローバル・レーティングスによるインドネシアの格付け引き上げで示されたように、インドネシア経済の見通しが依然良好であることを反映したものだ。ルピア相場は市場原理に従って、今後も安定的に推移する」とルピア安懸念は後退しているとした。
次回の金融政策決定会合は7月17−18日に開かれる予定。
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