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新興国ニュース

<新興国eye>ASEAN+3財務相・中銀総裁会議―外貨融通強化はカンボジアにも恩恵

2019-05-24 11:24:00.0

 5月2日、フィジー・ナンディでのアジア開発銀行年次総会に合わせて開催された第22回ASEAN+3(日中韓)財務大臣・中央銀行総裁会議で共同声明が発表されました。日本からは、麻生太郎財務相と黒田東彦日銀総裁が参加しました。さまざまな課題が討議されましたが、特に、日中韓とASEAN加盟国が新興国の金融危機に備えた通貨交換の枠組みを強化することで合意した点が注目されます。

 資本の流出が起きた国に期間を定めずドルを供給するほか、円や人民元も交換対象とすることを目指すことを打ち出しています。世界的な金融緩和で投機的なマネーが膨らむ中、新興国発の不安をおさえる狙いです。

 共同声明では、チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)をASEAN+3における効果的かつ機動的な自助メカニズムとしてさらに強化するとしました。CMIMは、金融危機等の際に加盟国間で外貨を融通する国際的な取り決め。総額は2400億ドル(約27兆円)と巨額です。カンボジアは、危機時に12億ドル(約1330億円)を融通してもらうことが可能となっています。今回の合意では、現地通貨を使うことが1つの選択肢となるとも明記し、ドルに加え円や人民元の融通も検討することになった点が大いに注目されます。

 また、域内のマクロ経済サーベイランス、CMIMの実施支援を行う、ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)を引き続き支援していくとしています。

 カンボジアのような小国にとって、CMIMは、万一の際の重要な保険であることに加え、こうしたシステムがあることによって得られる安心感も外資誘致等に重要な役割を果たしています。こうした国際的協力に引き続き積極的に参加していくことが期待されます。

【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社