新興国ニュース
<新興国eye>インドネシア中銀、政策金利を現状維持―6会合連続
2019-05-17 10:19:00.0
インドネシア中央銀行(BI)は16日の理事会で、主要政策金利の1週間物リバースレポ金利を6.00%に据え置くことを決めた。市場予想通りだった。
また、中銀は過剰流動性を吸収するための翌日物預金ファシリティー金利(FASBIレート)も5.25%に、翌日物貸出ファシリティー金利も6.75%に据え置いた。
中銀は17年10月から18年4月まで7会合連続で政策金利を据え置いたが、同5月ごろからルピア安が急速に進行したため、ルピア安と国内からの資金流出の阻止を狙って、5月の定例会合と同30日の臨時会合に続いて、6、8、9、11月と、18年だけで計6回の利上げを実施。利上げ幅は計1.75ポイントに達した。同12月から据え置きに転じており、現状維持はこれで6会合連続となる。
中銀は声明文で、現状維持を決めたことについて、前回4月会合時とほぼ同様に、「政策金利の据え置き決定は、世界の金融市場の先行きの不透明感が増す中、インドネシア経済に影響を与える外部要因(輸出や外国からの対内直接投資)の安定を一段と強めることと合致する」とし、世界の金融市場の先行き懸念が強まっていることを指摘。その上で、「米中貿易摩擦の激化で新興国から資金が再び流出し始め、世界の金融市場の先行きの不透明感が一段と高まっている」と米中貿易摩擦がインドネシア経済の不安定要因との見方を示した。
今後の金融政策の見通しについては、「世界の金融市場の動向やインドネシア経済に影響を及ぼす外部要因の安定について引き続き注視し、インフレを抑制し国内景気を刺激するため、金融緩和政策の余地を広げられないか十分検討する」と前回会合に続き、景気重視の方針を維持した。
すでに中銀は景気を刺激するため、3月会合で、18年1月から銀行に適用している流動性ガイダンスを変更し、銀行が保有する債務残高に対する資産残高の比率(MIR)を19年7月1日から従来の82−92%から84−94%に引き上げることを決めている。これは企業に融資した貸出債権は銀行の資産としてカウントされるため、企業への貸し出し拡大を狙ったもの。今回の会合でも同政策必要性を改めて強調した。
景気見通しについては、「19年第1四半期(1−3月)は世界景気の減速により、前年比5.07%増と、前期の同5.18%増から伸びが鈍化した」とし、今後の見通しについても「純輸出(輸出額−輸入額)は世界経済の減速で成長が押し下げられている」と景気の先行きに懸念を示した。ただ、中銀は19年のインドネシア経済の成長率見通しを5.0−5.4%増と、前回会合時の予想を据え置いた。
また、インフレの見通しについては、「4月のインフレ率は前年比2.83%上昇と、3月の同2.48%上昇から加速したが、インフレ率は依然低く抑制されている」とし、前回会合に続いて楽観的な見方を示した。その上で、「中銀はインフレ率が19年の物価目標(3.5%上昇±1%)の範囲内で低安定するよう政府との政策連携を強化し、物価安定策を継続する」と述べている。
また、これまで利上げの根拠となっていた通貨ルピア相場の下落懸念については、「5月のルピア相場は4月に比べ平均で1.36%下落した。5月のルピア安は最近の米中貿易摩擦の激化による世界景気の減速懸念に端を発している。貿易戦争の激化によってインドネシアを含む新興国で通貨下落圧力が高まっている」との見方を示した。
次回の金融政策決定会合は6月19−20日に開かれる予定。
<関連銘柄>
アジア債券<1349>、iS新興国<1362>、上場EM債<1566>、
iSエマジン<1582>、アセアン50<2043>
提供:モーニングスター社




