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<新興国eye>米国が特恵関税制度停止を検討―在カンボジア米商工会議所が懸念表明
2019-03-29 10:48:00.0
19年1月9日にテッド・クルーズ米上院議員らは、米政府に対しカンボジアに認めている特恵関税制度(GSP)について見直しを求めるカンボジア貿易法案2019を議会に提案しました。カンボジアの18年の選挙や労働者の権利について、フン・セン同国首相の姿勢に問題があるとして、この法案により責任ある行動を求めるとしています。
これに対し、3月13日に在カンボジア米国商工会議所は、米議会に対し公式文書を発出し、この法案に対する深い懸念を表明しました。同文書で、この法案の直接の影響を受けるのは縫製労働者であり、こうしたやり方は非生産的で受け入れがたいとしています。
また、カンボジア経済の不安定化により米国企業も損害を被るのに加え、二国間の貿易関係も大きな影響を受けると、厳しく批判しています。GSPは、途上国が貧困から脱出することに役立っているだけでなく、米企業も大きな利益を得ていると強調しています。
EU(欧州連合)も、カンボジアの政治状況に関連して、GSPの見直し検討等によりカンボジアに圧力をかけています。これに加えて、米国がGSPの見直しを行うことになれば、カンボジア経済の重要なエンジンである縫製品輸出に大きな影響を与えるものと見られます。今後の動向が注目されます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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