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<新興国eye>ベトナム縫製業界に明るい見通し―各貿易協定や米中貿易戦争が牽引
2019-03-27 14:34:00.0
19年1月からベトナムでも適用されている米国抜きの新たな環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)「包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(TPP11=CPTPP)」をはじめとする貿易協定の恩恵により、ベトナム縫製業界の見通しは明るいと見られている。フーフン証券(PHS)が発表した同業界の最新レポートで明らかになった。
CPTPP加盟国への輸出額はベトナムの縫製品輸出額全体の16%を占めており、この中で日本とカナダが大手輸出先となっている。
また、交渉中の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が年内に合意に至る見通しだ。RCEPはベトナムを含むASEAN(東南アジア諸国連合)加盟10カ国に、日本、オーストラリア、ニュージーランド、中国、韓国、インドの6カ国を含めた計16カ国で自由貿易協定(FTA)を進める構想だ。
17年には同6カ国が合わせてベトナム産の縫製品輸出入額の57%に貢献した。RCEPが締結されれば、ベトナムの縫製品輸出が増えるほか、中国や韓国からの割安な縫製品用原料・副原料の輸入増加のチャンスが活かせると見込まれる。
さらに、ベトナムと欧州連合(EU)間の自由貿易協定(EVFTA)が5月までに発効する見通しで、これが国内縫製企業の業績を押し上げるチャンスになる見込みだ。このほか、米中貿易戦争を背景に、ベトナムの縫製企業は企業の中国からのシフトによる恩恵を享受できるものと見込まれる。
ベトナム税関総局のデータによると、18年の繊維・アパレル製品の輸出総額は前年比17%増の345億ドル(約3.8兆円)で、19年1−3月期は前年同期比12%増の66億ドル(約7300億円)だった。
輸出の順調な伸びが功を奏して、上場縫製企業は18年に好業績を遂げており、株価も著しく上昇している。同年の上場縫製企業の売上高合計は前年比11%増の63兆6380億ドン(約3060億円)、税引後利益合計は同28%増の3兆1110億ドン(約150億円)と増収増益だった。
【筆者:Viet Economic Research&AdVISory Corp.(VERAC)】
2002年ベトナム・ホーチミン市で創業。「ベトナム株・経済情報」「VIETJOベトナムニュース」、「VIETJOライフ」の自社媒体を通じ、経済、金融情報を中心に毎日数十本のベトナム関連記事を配信する。業界で唯一、全上場企業740社超の日本語企業データベースを保有。また調査可能な非上場企業のユニバースは22万社を誇る。10年超にわたり蓄積した情報とネットワークを駆使した企業信用調査に強み。
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提供:モーニングスター社




