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新興国ニュース

<新興国eye>マネーロンダリング対策拡充が急がれるカンボジア

2019-03-15 13:56:00.0

 マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(Financial Action Task Force on Money Laundering:FATF)は、2月20−22日にパリで総会を開催し、カンボジアを「戦略的欠陥はあるもののFATFと対応策を策定済みの国」に分類したと発表しました。

 この分類は、一般に「グレー・リスト」と呼ばれており、他にはパキスタン、スリランカなどが含まれ、合計12カ国となっています。カンボジアは、15年に一度この分類から外れましたが、マネーロンダリングおよびテロ資金対策の新基準に基づいた評価で、再びグレー・リスト入りすることとなりました。なお、この下に「ブラック・リスト」があり、イランと北朝鮮が含まれています。

 FATFはカンボジアに対し、不動産取引・カジノに対する監視強化、金融機関・送金機関に対する監視強化、技術的欠陥に対処するためのマネーロンダリング・テロ資金対策法の改正、マネーロンダリング監視のための体制強化、マネーロンダリングの取締件数・訴追件数の目に見える増加、国連制裁措置を実施するための法規制・体制強化等を求め、カンボジアはその実施を約束したとしています。

 マネーロンダリングやテロ資金の技術は急速に変化し、手口が巧妙化しています。また、カンボジアでは、中国からの投資もさかんですが、その資金には様々なものが含まれているとも言われます。カンボジアは北朝鮮とも長く友好関係にあり、プノンペンには北朝鮮の大使館や北朝鮮レストランも存在しています。

 カンボジア経済はほとんどの取引がドルで行われ、市中にはドル現金が一般に流通していることもマネーロンダリングを行う側にとっては目をつけやすいところと見られます。FATFと協力しつつ、各種対策を順次進めていく必要性は高いものと見られます。

【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社