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<新興国eye>カンボジア、農業関連企業に税優遇
2019-02-22 12:17:00.0
カンボジアの経済財政省は、農業振興を目的として農業関連企業について、毎月納付義務がある法人所得税の前払いを今後5年間免除するとの税優遇措置を発表しました。
カンボジアでは、毎月、売上の1%を法人所得税の前払いとして納付する必要があります。この前払納税分は、年次納税の際に法人所得税納付額から差し引くことができますが、赤字企業などで法人所得税が前払総額を下回る場合であっても、前払済の金額は返還されないこととなっています。
赤字企業などでは、利益がないにもかかわらず納税の必要があるため、特に、初期投資が大きく単年度で黒字になるまでに長期間を要する農業などの関連企業では、大きな負担となっていました。
今回の措置は、コメ、トウモロコシ、マメ、コショウ、カシューナッツ、キャッサバ(イモ類の1つ、タピオカの原料など)、ゴムの生産、流通、輸出に関連する企業が対象となります。カンボジアの農業関連企業では、この動きを歓迎しています。
カンボジアのコメの主要輸出先であるEU(欧州連合)は、最近、カンボジア・ミャンマー産のコメが、EU内のコメ生産農家に悪影響が大きいとして、セーフガード措置(追加関税)を発動しており、カンボジアのコメ輸出産業に打撃が広がりつつあります。
また、EUは、途上国に対する特恵関税措置(武器以外の全品目の無税化)であるEBA(Everything But Arms)について、カンボジアの内政状況に関連して、カンボジアをその対象外とすることを検討中です。この状況下で、カンボジア政府は、輸出に関連するコストを引き下げることを目的として、関税以外の国境検査(カムコントロール)廃止、KAMSAB(船舶の出入港に伴う関係省庁への許可申請などを一括請負する政府機関)の廃止、コンテナスキャン料金の引下げなどの各種措置を打ち出しており、本件もその一環と見られます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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