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<新興国eye>タイ中銀、賛成多数で0.25ポイント利上げを決定―市場予想通り
2018-12-20 11:49:00.0
タイ中央銀行は19日の金融政策委員会で、政策金利である翌日物レポ金利を5対2の賛成多数で0.25ポイント引き上げ1.75%とすることを決め、同日実施した。利上げは市場の大方の予想通りだった。
中銀は15年4月会合まで2会合連続で利下げしたあと、同6月から据え置きに転じ、前回11月会合まで28会合連続で現状維持とした。しかし、11月会合では3委員(9月会合では2委員)が景気の過熱感を指摘し、予防的な利上げの必要性を主張していた。利上げは11年以来7年ぶりとなる。
中銀は金融政策決定会合後に発表した声明文で、「これまで低金利政策は経済の拡大と物価目標を同時に達成するのに寄与してきたが、多くの委員はこうした金融緩和的な政策の必要性は低下していると判断した。金融安定に対するリスクを抑制し、金融政策の余地を残すために利上げを決めた」と述べている。
金融安定リスクについては、「タイ経済は外需が減速しているものの、内需に支えられて拡大基調にある。インフレ見通しは前回会合から変わっていない。金融の安定については依然、全体的に健全性を維持しているものの、将来、金融市場に急激な変動を引き起こすリスクを監視する必要がある」と指摘している。
今回の会合では2委員が現状維持を主張。これについては、「多くの委員は1.75%の政策金利でも経済拡大に寄与すると判断した。しかし、2委員はタイ経済を取り巻く外部環境の変動リスクや先行き不透明感が高まっており、今後、タイ経済に悪影響が及ぼす可能性があることから、外部要因の経済への影響を明確に判断すべきと主張。また、金融安定リスクはこれまでのマクロ・プルーデンスな政策(金融システムの安定を目指した政策)によってある程度取り組まれていると指摘した」と述べている。
景気見通しについては、「世界経済の後退懸念や米中貿易摩擦でタイの輸出が影響を受けているが、タイ経済は引き続き拡大の勢いを強めている」と指摘した上で、「米中貿易摩擦による双方の貿易保護主義政策による景気下ブレリスクを注視する」と述べ、前回会合時と同様、外部環境の変動リスクが続いていることを改めて強調した。
インフレ見通しについては、「前回会合時と概ね変わっていないが、エネルギーや生鮮食品の物価の変動による下ブレリスクが続いている。コアインフレ率については、(需要拡大によって引き起こされる)デマンドプルのインフレ圧力が徐々に高まっていることを考えると、従来の予想通りのペースで広範囲にわたって上昇していく」とし、前回会合時と同様、インフレ懸念を維持した。
今後の金融政策の見通しについては、前回会合時と同様、「今後、タイ経済は外需の鈍化にもかかわらず拡大が見込まれる。中銀は当分の間、金融緩和的な政策が適切であると判断しており、今後の経済やインフレ、金融安定の動向、それらの先行きに対するリスクを引き続き注視し、適切な金融政策を決める」としている。
次回会合は19年2月6日に開催される予定。
<関連銘柄>
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上場EM債<1566>、上場MSエマ<1681>、アセアン50<2043>
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