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<新興国eye>カンボジア中央銀行、「携帯電話と金融包括」レポートを公表
2018-12-07 14:33:00.0
11月19日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、「携帯電話と金融包括」と題するレポートを公表しました。
カンボジアでは、光ケーブルとワイヤレスのシステムを一気に導入することによって、ほぼ全土で携帯電話が使用可能となっています。この結果、携帯電話の加入者数は爆発的に増加しており、08年には対人口比31%でしたが、14年には対人口比134%に増加しています。携帯加入者数は、10年の約1054万人から5年後の15年には約2085万人に倍増しました。インターネット加入者数は、10年にはわずか32万人でしたが、15年には約680万人に増加しています。他方、固定電話は役割を終えつつあり、回線数は12年の対人口比約4%から15年には約1.5%に低下しています。
今回のレポートでは、プロビット回帰分析とそれを補完する傾向スコアマッチング(PSM)手法により、金融包括における携帯電話使用のインパクトを分析しています。
結論としては、携帯電話は、金融包括(公式金融機関における口座保有、預金口座の保有、貸付口座の保有)に大きな効果があるとされています。なお、データが古いものの、スマートフォンとフィーチャー・フォン(ガラパゴスケータイ、ガラケー)では、有意な違いは出なかったとしています。携帯電話の保有は、認可マイクロファイナンス機関からの借り入れの増加、非生産目的の借り入れの減少等と有意な関係が認められました。
また、金融教育も金融包括に重要な役割があることから、携帯電話を活用した金融教育や情報提供を提言しています。現金取引比率の高いカンボジアにおいて取引費用削減効果が大きいモバイルバンキングも金融包括に重要であるとしており、電子的支払手段の開発・展開も大きな効果があるとしています。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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提供:モーニングスター社




