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<新興国eye>ブラジル中銀、全員一致で政策金利を現状維持―据え置き継続を示唆
2018-11-01 10:55:00.0
ブラジル中央銀行は10月31日の金融政策決定委員会で、政策金利(セリック)である翌日物金利誘導目標を過去最低水準の6.50%に維持することを全員一致で決めた。市場予想通りだった。
中銀は5月会合で、急激なレアル安が輸入物価を押し上げインフレを加速させるリスクが高まっているとして、それまでの利下げ継続から金利据え置きに転換しており、据え置きはこれで前回9月会合に続いて5会合連続となる。中銀は16年10月会合で4年2カ月ぶりに利下げ(0.25ポイント)に転換し、それ以降、18年3月会合まで12会合連続で利下げを実施。16年10月以降の利下げ幅は計6.75ポイントに達しており、金融政策は景気刺激重視の緩和スタンスを維持している。
中銀は政策決定後に発表した声明文で、政策金利を据え置いた理由について、前回会合時と同様、「われわれは基調的インフレ率が適正な水準で進んでいると判断している」と述べた。
また、中期のインフレ見通しについても、前回会合時と同様、「経済の不活発による高水準のたるみ(生産設備や労働力などの余剰)がインフレ下ブレリスクとなる一方で、経済の改革や調整の継続期待が裏切られたら上ブレリスクとなる。また、新興国経済の先行き見通しが悪化すればこの上ブレリスクはさらに高まる」としたが、前回会合時で使われた「後者のリスク(上ブレリスク)が高まった」との文言を削除。「われわれは双方向のリスクバランスの非対称性の度合いは以前より低下したと判断している」と述べ、インフレ上ブレリスクが後退したことを強調している。
景気見通しについては、前回会合時と同様、「最近の経済指標をみると、ブラジル経済が年初に予想していたよりも緩やかなペースで回復している」と述べ、5月のトラック運転手による全国ストの影響で景気が一時的に悪化したあと、景気回復は緩やかなペースになっているとし、依然、景気刺激の金融政策が必要との認識を示している。
中銀は今回の会合でも、「外部ショック(自国通貨レアル安の進行など)が足元のインフレ率をさらに上昇させる効果(二次的効果)を引き起こす可能性があり、その場合には金融政策で対応することが必要になる。外部ショックはその二次的効果を通じてインフレ見通しやインフレ期待、(インフレの上ブレ・下ブレ)両リスクのバランスを変える可能性がある」と述べ、最近のドル高・レアル安の進行で輸入物価が押し上げられ、目先のインフレを加速させるリスクを指摘した。
ただ、今後の金融政策の見通しについては、前回会合時と同様に、「経済予測の標準シナリオや(インフレの上ブレ・下ブレ)両リスクのバランスを考慮すると、政策金利を現在の水準で維持することが適切だと考える」と述べ、据え置き継続に含みを残した。
市場では金融政策の正常化に向けた利上げ開始時期は遠のいたとみている。
次回の金融政策決定会合は12月11−12日に開かれる予定。
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