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<新興国eye>IMF4条協議ミッション2018―カンボジア政府との協議結果を発表
2018-10-19 11:08:00.0
IMF(国際通貨基金)は、IMF協定第4条に基づき、毎年加盟国政府と政策協議を行うこととなっています。9月19日から10月2日まで来訪したIMF調査団とカンボジア政府との協議結果について、10月2日にIMFから発表がありました。なお、詳細なレポートは、通常2カ月ほどで発表されます。
IMFは、カンボジアの最近の高度成長と構造改革努力を高く評価しました。この努力により、所得の伸び、貧困削減、経済多様化をもたらしているとしています。
経済予測については、18年のGDP(国内総生産)成長率は7.25%前後の高成長を維持すると予測しています。今後も短期的には7%前後、中期的にも6%程度の成長を続けると見ています。18年の物価上昇率は2.5%程度に留まると予測しました。経常収支の赤字は、18年にはGDP比10%前後となるものの、海外直接投資等により埋め合わされて、18年末には外貨準備は96億ドル(輸入の5カ月分以上)にまで拡大すると見ています。
IMFは今回の協議で、金融リスク管理、財政健全化、包括的成長を維持するための構造改革、ガバナンス等について議論しました。金融リスクについては、民間銀行からの貸出しが伸びており、貸付の質に懸念があるものの、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)が金融機関の健全性維持のための規制を導入・拡充していることを評価しています。
しかし、不動産向けの融資については、規制を検討する必要があると指摘しています。財政健全化については、歳入の伸び悩みや無償協力の減少等に備えるため、不動産税の引上げ等を検討すべきと提言しています。公的債務については、対GDP比30%程度であり、当面「低リスク国」分類が続くと評価しています。
カンボジアの課題としては、ビジネス環境の改善、国際競争力の強化と産業多様化を挙げています。そのために、電力コストの引下げ、人づくり、インフラ整備、法規制と透明性の強化が必要であると指摘しました。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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