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<新興国eye>アジア経済見通し2018秋―カンボジア経済は好調続く
2018-10-12 11:05:00.0
アジア開発銀行(ADB)は、9月26日に「アジア経済見通し2018年改訂版」を発表しました。
カンボジア経済は引き続き順調に成長するものと見られ、18年のGDP(国内総生産)成長率は7.0%(前回予測7.0%)、19年7.0%(前回予測7.0%)と予測されています。米中貿易戦争等の貿易摩擦や米国の金利上昇等の外的要因で、成長率予測が引き下げられる国が多い中で、カンボジアは、好調な輸出、観光、国内需要等により引き続き好調を維持するものと見られます。
18年上半期の輸出は13.3%増と好調でした。EU向けは13.7%増、米国向けは27.4%増でした。観光セクターも、18年1−7月の中国人観光客が72.6%も増加したことに支えられて、訪問客数は11.1%増と好調でした。
物価上昇率は、国際原油価格の上昇にも関わらず、18年上半期で2.4%と安定的でした。このため、18年の物価上昇率を2.6%(前回予測3.2%)、19年を3.0%(前回予測3.5%)と予測を引き下げました。
経済の好調により、輸入も拡大しており、経常収支の赤字(対GDP比)は、18年12.1%(前回予測11.1%)、19年11.8%(前回予測10.8%)と若干増加するものと見られます。しかし、外国直接投資が好調のため、総合収支は黒字を維持しています。このため、外貨準備は18年7月現在で91億ドル(約1兆300億円)と輸入の6か月分以上と十分なレベルにあり、18年末には100億ドル(約1兆1300億円)を突破するものと見られます。
リスクとしては、対外要因は、米国金利の上昇、国際金融市場の動揺等を挙げています。国内要因としては、最低賃金の予想以上の上昇が懸念材料としています。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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