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<新興国eye>インド準備銀、市場の利上げ予想に反し政策金利を据え置き
2018-10-09 09:35:00.0
インド準備銀行(RBI)は5日、金融政策決定会合を開き、流動性調節ファシリティ(LAF)の主要政策金利であるレポ金利(RBIの市中銀行への翌日物貸出金利)を賛成多数で6.50%に据え置いた。ルピー安の進行や原油高、大手ノンバンクのデフォルト(債務不履行)による金融市場の信用収縮問題などでインフレ加速懸念が強まっていることから、市場では0.25ポイントの利上げが予想されていたが、6人の委員のうち利上げを主張したのはチェタン・ガート委員1人だった。
RBIは17年8月会合で主要政策金利を16年10月以来10カ月ぶりに0.25ポイント利下げし6.00%としたあと、18年4月会合まで4会合連続で据え置いたが、6月会合で利上げに転換。前回8月会合で2会合連続の利上げを決めていた。
また、RBIはレポ金利の据え置きに伴い、LAFのリバースレポ金利(市中銀行のRBIへの預金金利)を6.25%、市中銀行が資金ひっ迫時にRBIから政府債を担保に資金を借りることができる流動性供給スキーム「MSF(マージナル・スタンディング・ファシリティー)」の金利も6.75%に据え置いた。
政策金利を据え置いたものの、金融政策スタンスを前回会合時の「中立」から「引き締め」に変更し、利上げの可能性を示唆した。 バイアス(金融政策に対する姿勢)をめぐっては、ラビンドラ・ドラキア委員だけが中立スタンスの維持を主張した。中立スタンスはインフレ動向次第で将来の利上げ、または、利下げに含みをもたせるもので、金融政策をオープンにしていることを示すものだったが、今回は明確に金融引き締め方向にシフトしたことを示す。
インフレの現状認識については、「8月のCPIは食料品が予想に反し下落したことで、前年比3.7%上昇と、6月の同4.9%上昇から伸びが鈍化した」とし、今後のインフレ見通しについても、「7−9月期は前年比4%上昇(前回会合時は同4.6%上昇)、下期(18年10月−19年3月)は同3.9−4.5%上昇(同4.8%上昇)、来年4−6月期は同4.8%上昇(同5%上昇)になる」と予想。また、政府職員向け住宅手当(HRA)を除いたコアCPIについても「7−9月期は前年比3.7%上昇(前回会合時は同4.4%上昇)、下期は同3.8−4.5%上昇(同4.7−4.8%上昇)、19年4−6月期は同4.8%上昇(同5.0%上昇)になる」とし、主に食料品物価が落ち着く見通しであることやHRAの影響が薄れるため、いずれも上方修正(改善方向)した。
しかし、18年度(18年4月−19年3月)と19年4−6月期のインフレ見通しが上方修正されたとはいえ、「(中期的には)インフレ率は前回8月会合時の見通しを上回って加速していく」とし、インフレ加速懸念を改めて強調している。
一方、景気の見通しについては、「原油高でコスト高となり、企業の利益率が低下し投資活動が鈍化する可能性がある。また、輸出の先行き見通しも不透明となっている。最近のルピー安の進行は輸出にとって追い風だが、貿易摩擦による世界貿易の後退で相殺される可能性がある」と指摘し、景気の先行きに懸念を示した。
その上で、18年4−6月期のGVA(粗付加価値額)ベースの成長率見通しを前回予想時の前年比7.5%増から同7.4%増に、また、18年度下期も同7.1−7.3%増(前回予想時は同7.3−7.4%増)、19年4−6月期の見通しも同7.4%増(同7.5%増)と、いずれもやや下方修正した。下方修正は前年同期の伸びが高かったため低めの数値が出る、いわゆるベース効果もあるとしている。
次回会合は12月3−5日に開かれる予定。
<関連銘柄>
上場インド<1549>、インドNIF<1678>、インドブル<2046>、インドベア<2047>、iSエマジン<1582>
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