youtube fund_beginer fund_search fund_look

新興国ニュース

<新興国eye>インドネシア中銀、市場予想に反し0.25ポイント利上げを決定

2018-08-16 11:13:00.0

 インドネシア中央銀行(BI)は15日の理事会で、主要政策金利の1週間物リバースレポ金利を0.25ポイント引き上げて5.50%とすることを決めた。市場の大方の予想は据え置だった。

 また、過剰流動性を吸収するための翌日物預金ファシリティー金利(FASBIレート)も4.750%、翌日物貸出ファシリティー金利も6.25%と、いずれも同率に引き上げられた。

 中銀は17年10月会合から18年4月会合まで7会合連続で政策金利を据え置いたが、5月頃からルピア安が進行したため、ルピア安と国内からの資金流出を阻止するため、5月の定例会合と同30日の臨時会合、さらには6月会合でも3度にわたって利上げを実施し、利上げ幅は1.00ポイントに達した。しかし、前回7月会合では利上げ効果を見るため、いったん利上げを休止していた。

 今回の利上げ再開は、この日、ルピアが1ドル=1万4646ルピアと、15年10月以来約3年ぶりの安値水準にまで急落したことから利上げによってルピア建て資産の価値を高め、ルピア売り阻止を狙ったもの。金融政策の決定発表前、中銀はルピア防衛のため、ドル売り・ルピア買いの市場介入を実施していた。この点について、中銀は会合後に発表した声明文で、「利上げを決定したことはインドネシア国内の金融市場の魅力を維持する努力、また、経常赤字額を許容範囲内に抑制する努力と合致するものだ」と述べている。

 ルピア安が進行している背景には、最近のトルコリラの急落で新興国に通貨安のドミノ効果が広がっている他、米中貿易戦争の悪影響やインドネシア経済の悪化が要因となっている。

 10日発表されたインドネシアの4−6月期の経常赤字は80億ドル(対GDP比3%)と、前期の57億ドル(同2.2%)から拡大。15日発表された7月の貿易収支も前月の17億1000万ドルの黒字から20億3000万ドルの赤字に転換し、市場予想の6億ドルの赤字の3倍以上となり、通貨安阻止が急務となっている。中銀によると、ルピアは4−6月期に3.94%下落し、7月だけでも0.62%下落した。年初来では7.04%安となっている。

 その上で、中銀は、「今後、国内外の経済動向や経済の先行き見通しを注視し、マクロ経済と金融システムの安定を維持するため、政府の対策とのポリシーミックス(複数の経済政策手段の一体運営)を強めていく」としている。また、当面の経済見通しに対するリスクについては、「トルコで起きている経済ショックからの間接的な悪影響で世界経済の先行きが不透明となっている。インドネシア中銀はトルコからの経済リスクなど外部リスクを注視していく」とトルコ通貨危機への懸念を強調した。

 また、今回の会合で、18年のGDP(国内総生産)伸び率見通しを前回予想時の5.1−5.5%増から5−5.4%増に下方修正した。19年は5.1−5.5%増と予想している。ちなみに、4−6月期GDP伸び率は5.27%増と、13年以来5年ぶりの高い伸びだった。

 ルピア相場の安定を目的とした市場介入についても、前回会合と同様に、「ルピア相場を経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映して安定させるため、外為市場での(ドル売り・ルピア買い)介入政策とインターバンクのスワップ市場での公開市場操作(オペ)による流動性の適正維持を目指す政策を継続する」と述べ、これまで通り2つの市場で介入政策を維持していく考えを示した。

 次回の金融政策決定会合は9月26−27日に開かれる予定。

<関連銘柄>
アジア債券<1349>、iS新興国<1362>、上場EM債<1566>、iSエマジン<1582>、アセアン50<2043>
提供:モーニングスター社