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<新興国eye>インドネシア中銀、予想外の0.50ポイント利上げを決定
2018-07-02 09:09:00.0
インドネシア中央銀行(BI)は6月29日の理事会で、自国通貨ルピア安の進行に歯止めをかけるため、主要政策金利の1週間物リバースレポ金利を0.50ポイント引き上げて5.25%とすることを決めた。市場の予想通りの利上げとなったが、大方は0.25ポイントの小幅引き上げを予想していたため、今回0.50ポイントの大幅利上げはサプライズとなった。
また、過剰流動性を吸収するための翌日物預金ファシリティー金利(FASBIレート)も4.50%、翌日物貸出ファシリティー金利も6.00%と、いずれも同率引き上げられた。新金利は29日付で適用された。
中銀は5月17日の定例会合と前回の同30日の臨時会合で、ルピアの急落と国内からの資金流出を阻止するため、利上げを継続しており、この6週間で3度目の利上げとなった。中銀は16年に政策金利を6度にわたって計1.50ポイント引き下げ、17年も8月と9月に2会合連続で利下げを実施し、それまでの利下げ幅が計2.00ポイントに達したことから、同年10月会合から18年4月会合まで7会合連続で政策金利を据え置いていた。
中銀は5月28日に政府とインドネシア金融サービス機構(OJK)の3者による「経済の安定と持続的改革」に関する協調政策談話を発表し、ドル高・ルピア安の進行について、「短期的には中銀はルピア相場を安定させる金融政策を優先する」とし、その上で、「まず、インフレ率を18−19年の物価目標(3.5%±1%)内に持続的に抑える一方で、予防的に前倒しで為替相場を安定させることが求められる」と指摘していた。
ルピア相場は会合前、1ドル=1万4410ルピアと、2年半ぶり安値を付けていたが、利上げ発表後は1万4300ルピアにまで上昇した。中銀は会合後に発表した声明文で、「6月28日時点でルピア相場は1ドル=1万4390ルピアと、5月時点に比べ3.44%も下落した。17年12月からは5.72%も急落している」と指摘し、ルピア安の進行に懸念を示している。
今回の利上げ決定について、中銀は声明文で、「米国の6月利上げとそれを受けた欧州や中国の金融政策の変更(追随利上げ)、さらには国際金融市場の先行き不透明によって、ルピアを含め世界各国の通貨のほとんどが下落している」とし、その上で、「われわれは一部の国による金融政策の変更や一段と強まっている世界情勢の先行き不透明感に対する国内金融市場の競争力を維持するため、先手を打つ形で、また、予防的に前倒しで再利上げを決めた」と述べている。
インドネシア中銀が利上げを継続している背景には、米国の政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の上昇ペースが予想以上に加速していることや、米中貿易摩擦の激化など世界的な貿易戦争による地政学リスクの高まりで、投資家がインドネシアのリスク資産投資を回避する動きを強めていることがある。このため、市場ではインドネシア中銀は利上げによって、ルピア安の進行を阻止しルピア建て資産の価値を高めるとみていた。
また、ルピア安阻止の市場介入についても、前回5月30日会合と同様に、「ルピア相場を安定させるため、外為市場や政府発行有価証券(SNB)市場で相場調整や流動性を適正に維持する。また、短期金融市場やインターバンクのスワップ市場でも流動性を適正に維持していく」としている。
今後の金融政策の見通しについては、「今回の利上げは経済の安定、特に、ルピア相場の安定を強めることに自信を持っている。われわれは今後も引き続き国内外の情勢を注視してく」と述べたが、前回会合で利上げ継続を示唆した「利上げの余地があれば徐々にゆっくりとした(measured)ペースでその機会を生かしていく」との文言を削除した。
次回の金融政策決定会合は7月18−19日に開かれる予定。
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