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<新興国eye>ブラジル中銀、全員一致で政策金利を現状維持―据え置き継続を示唆
2018-06-21 11:05:00.0
ブラジル中央銀行は20日の金融政策決定委員会で、政策金利(セリック)である翌日物金利誘導目標を現行の6.50%のまま維持することを全員一致で決めた。市場予想通りだった。
中銀は前回5月会合で、中銀は最近の急激なレアル安が輸入物価を押し上げ足元でインフレを加速させるリスクが高まっていることからそれまでの利下げサイクルを中断することが適切との判断を示していた。据え置きはこれで2会合連続となる。これまで中銀は16年10月会合で4年2カ月ぶりに利下げ(0.25ポイント)に転換して以降、利下げサイクルに入り、17年10月会合から18年3月会合まで12会合連続で利下げを実施。16年10月以降の利下げ幅は計6.75ポイントに達した。
中銀は政策決定後に発表した声明文で、据え置きを決めた理由について、5月21日から始まり長期にわたったトラック運転手による全国ストの影響でブラジル経済の回復の見通しが不透明になったこと挙げた。その上で、「4月の経済指標はストの影響は受けないが、5月、そして、恐らく6月の経済指標はスト収束後の影響を受ける可能性が高い」と述べ、スト収束後も経済に二次的な悪影響が及ぶことに強い懸念を示した。今後のブラジル経済の見通しについても、「標準予測では経済活動の回復は持続するとしているものの、一段と緩やかなペースとなる」としている。
また、トラック運転手ストのインフレへの影響については、「短期的にはスト収束後の影響など、インフレにはかなりの上ブレ圧力が及んでくる」とし、その上で、中銀の経済予測の標準シナリオに対する上ブレ・下ブレ両リスクのバランスについて、「インフレ見通しのリスクには上ブレと下ブレの両方があるが、前回会合以降、上ブレリスクが強まっている。インフレ率が物価目標をかなり下回り続けるリスク(下ブレリスク)は低下した」と、リスクバランスが上ブレ方向に変化したとの認識を示した。
また、中銀は今回の会合でも、インフレ見通しの上ブレ・下ブレ両リスクのバランスについて、「金融政策はインフレ見通しやインフレ期待、リスクバランス、景気の成り行きによって決定されるべきと考えるが、外部ショック(自国通貨レアル安の進行)が足元のインフレ率をさらに上昇させる効果(二次的効果)を引き起こす可能性があり、それには金融政策で対応することが必要になる。外部ショックはインフレ率が金融政策の時間軸(18−19年)内に物価目標を下回り続ける可能性が低くなることで、リスクバランスを変える恐れがある」と述べ、最近の急激なドル高・レアル安の進行で輸入物価が押し上げられ、目先のインフレを加速させるリスクが高まっていることに懸念を示した。
次回会合での金融政策の見通しについては、前回会合時と同様に、「経済予測の標準シナリオやインフレの上ブレ・下ブレ両リスクのバランスを考慮すると、政策金利を現在の水準で維持することが適切だと考えている」と据え置き継続を示唆した。
次回の金融政策決定会合は7月31日−8月1日に開かれる予定。
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