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<新興国eye>インドネシア中銀、臨時会合で0.25ポイント利上げ―通貨ルピア安阻止狙い
2018-05-31 10:21:00.0
インドネシア中央銀行(BI)は30日の臨時会合で、自国通貨ルピアの急激な下落を阻止するため、主要政策金利の1週間物リバースレポ金利を0.25ポイント引き上げて4.75%とすることを決めた。
また、過剰流動性を吸収するための翌日物預金ファシリティー金利も4.00%、翌日物貸出ファシリティー金利も5.50%と、いずれも同率引き上げた。新金利は31日付で適用される。
中銀はルピアの急落と国内からの資金流出を阻止するため、5月17日の前回会合で利上げに転じたばかり。わずか2週間足らずで2度目の利上げとなった。中銀は16年に政策金利を6度にわたって計1.50ポイント引き下げ、17年も8月と9月に2会合連続で利下げを実施し、これまでの利下げ幅が計2.00ポイントに達したことから、同年10月会合から18年4月会合まで7会合連続で政策金利を据え置いていた。
その後、中銀は28日、政府とインドネシア金融サービス機構(OJK)の3者による「経済の安定と持続的改革」に関する協調政策談話を発表していた。その中で、最近のルピア安の進行について、「短期的には中銀はルピア相場を安定させる金融政策を優先する」とし、その上で、「まず、インフレ率を18−19年の物価目標(3.5%±1%)内に持続的に抑える一方で、予防的に前倒しで為替相場を安定させることが求められる」と指摘していた。
中銀はこれら文言を今回の会合後に発表された声明文でも引用し、「米国の政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利が予想以上に加速しており、世界の金融市場のリスクも高まっていることから、中銀は特に為替相場を安定させるため、予防的に前倒しで金融政策(再利下げ)を決めた」と述べ、ルピア防衛の観点から利上げしたことを強調した。
また、今後の金融政策の見通しについては、「2月以降、(インドネシア経済の)安定に対する圧力が高まっているが、その大半は米国の利上げ加速や米国の外交政策の変更による世界情勢の先行き不透明感、さらには地政学的リスクの拡大に関わっている」とし、その上で、「今後も引き続き国内外の情勢を注視しながら、利上げの余地があれば徐々にゆっくりとした(measured)ペースでその機会を生かしていく」と述べ、利上げ継続に含みを持たせた。
ルピアは利上げ発表後、現地時間午後2時35分時点で、1ドル=1万3993ルピアで推移し、発表前とあまり変わらなかった。ルピアは1月末ごろから下落し始め、これまでに対ドルで5%下落している。こうしたルピア急落の背景にはFRB(米連邦準備制度理事会)の米利上げ加速懸念でドルが独歩高となる一方で、米国債の利回りが急騰していること、さらには5月中旬にインドネシア国内で26人の死者を出した連続テロの発生で地政学リスクが高まったこと、株式市場の低迷が長期化していることなどから、投資家はインドネシアのリスク資産投資を回避する動きを強めていることがある。このため、市場ではインドネシア中銀は利上げ継続により、ルピア安の進行を阻止しルピア建て資産の価値を高めるとみている。
前回17日会合で、中銀は、「金融政策(利上げ)は外為市場や短期金融市場で適切な流動性を維持するための公開市場操作(オペ)によって補完される」と述べたが、今回は、「ルピア相場を安定させるため、外為市場と政府発行有価証券(SNB)市場で相場調整や流動性を適正に維持する。また、短期金融市場やインターバンクのスワップ市場でも流動性を適正に維持していく」と述べ、市場介入も継続する考えを示している。
次回の金融政策決定会合は6月27−28日に開かれる予定。
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