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新興国ニュース

<新興国eye>トルコ中銀、1週間物レポ金利を主要政策金利に指定―金融政策を簡素化

2018-05-30 10:03:00.0

 トルコ中央銀行は28日、自国通貨トルコリラの急激な下落で過去最安値を更新していることから、通貨防衛のため、1週間物レポ金利を6月1日から唯一の主要政策金利とし、現在、4つの政策金利を使っている金融政策を簡素化する方針を明らかにした。

 この背景には、金融政策では4つの政策金利が使われ複雑化しているため、市場との認識のずれを防ぐための金融政策の予見性があいまいとの指摘が市場から聞かれていたことがある。この方針に従って、中銀は1週間物レポ金利のレートを現在の8.00%から後期流動性貸出金利と同じ16.5%に引き上げる他、残り2つの政策金利についても翌日物貸出金利(現在9.25%)を1週間物レポ金利の上限、また、翌日物借入金利(同7.25%)を下限とする。上限と下限はいずれも1.50ポイント幅とする。

 トルコリラはドルやユーロなどの主要通貨に対し急激な下落が続いており、輸入物価が押し上げられインフレ上ブレ懸念が強まっている。このため、中銀は4月25日会合に続いて5月23日の臨時会合でも、後期流動性貸出金利をそれぞれ0.75ポイント、3.00ポイント引き上げていた。

 トルコリラは前週、1ドル=4.929リラの過去最安値を更新し、前週末も4.7リラとなっていたが、今回の金融政策の簡素化方針の発表を受けて、4.55リラに急伸した。また、10年国債の利回りも0.50ポイント低下の14.18%となり、株式市場でも主要株価指数のイスタンブール100種指数が28日の取引で、3.22%高の10万6525.25で引けた。

 リラ急落の背景には5月3日に発表された同国の4月CPI(消費者物価指数)が前年比10.85%上昇(3月は同10.23%上昇)と、インフレ率が一段と高水準になったことがある。インフレ期待も依然強く、経常赤字も高水準(2月は前年比60%増の41億5200万ドルの経常赤字)となっているなど、同国のマクロ経済の悪化していることから投資家はリラ売りを強めているのが実情。また、リラ安で輸入物価が加速しインフレの悪化を生むという悪循環が続いている。

 このため、米信用格付け大手S&Pグローバル・レーティングスのソブリン債上級アナリスト、フランク・ギル氏は22日、「トルコ中銀がこのままリラ安を放置すればトルコのソブリン債格付けが一段と引き下げられる」と警告。

 一方、米英大手信用格付け会社フィッチ・レーティングスも同日、声明文を出し、トルコのエルドアン大統領が「6月24日の大統領選挙と国民議会総選挙で勝利すれば、インフレ率が高水準にあるにもかかわらず、中銀に利下げを求める」とし、金融政策に一段と干渉する考えを示したことについて、「中銀独自の判断による金融政策決定や(金融政策の市場との認識のズレを防ぐための)金融政策の予見性が失われる可能性がある」と警告。こうした中銀の独立性への懸念もリラ安の原因になっているとしている。また、2ケタ台と高水準のインフレ率や経常赤字の拡大(1−3月期は164億ドルと、1年前の84億ドルから約2倍増)などもリラ安の要因だと指摘した。

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提供:モーニングスター社