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<新興国eye>カンボジア銀行、「銀行監督年次報告書2017」を発表
2018-05-25 10:59:00.0
5月9日、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、「銀行監督報告書2017」を発表しました。この報告書は年1回発表されますが、カンボジアの銀行セクターについて詳細なデータも含んでおり、大変参考になります。
17年も、カンボジア経済の好調の波に乗り、カンボジアの銀行セクターは引き続き順調に成長しました。17年末の商業銀行39行・特殊銀行15行の総資産は、16年末から20.1%増加して115.6兆リエル(約3兆1500億円)に達しました。17年末の貸付残高は前年比17.2%増の66.4兆リエル(約1兆8100億円)となりました。預金残高も前年比25.1%増の69.7兆リエル(約1兆9000億円)となっています。
貸付先をセクター別シェアで見ると、小売18.0%、卸売12.0%、農林水産業10.4%、その他サービス7.0%、製造業6.0%などとなっており、実業向けが中心となっています。
商業銀行・特殊銀行の平均不良債権比率は、16年末の2.4%から横ばいで、17年末も2.4%となっており、引き続き問題ない水準にあります。
NBCでは、現在の銀行セクターの発展度合いに即した金融システム、国際的監督基準等に配慮しつつ、効果的な銀行監督を強化したいとしています。17年は、農家や中小企業の金融アクセス改善のために上限金利(18%)の導入も行いました。また、即時決済システム(FAST)の導入等による効率化により銀行セクターの効率向上や成長促進にも取り組んでいます。
今後の課題として、金融包括の促進、借り手側の金融知識の向上、インターバンク市場の開発、不動産向け貸付の監視強化、預金保護システムの導入、国際的協力も含めて銀行監督能力の向上等にも取り組んでいくとしています。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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