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新興国ニュース

<新興国eye>カンボジア鉄道北線、バッタンバンまで延伸開通

2018-05-18 10:55:00.0

 4月29日、カンボジア鉄道北線のシソポン−バッタンバン間65キロメートルが開通しました。式典には、スンチャントル公共事業運輸大臣も出席しました。

 4月4日にカンボジア鉄道北線のタイ国境接続部のポイペト−シソポン間の改修が完工し、旅客列車の運行が開始されたばかりであり、今回の開通で国境からバッタンバンまでが接続されたこととなります。シソポン−バッタンバンには、モンコール・ボレイ、チョムカ・ジェク、プノン・トイ、トゥル・サムロン、チュロイ・スダオ、チュンドゥ・スバ、オタキィ、シエムの8駅があります。

 鉄道の運営は、民間企業のロイヤル鉄道が行っていますが、運行本数や時刻表は、今のところ明らかとなっていません。なお、7月末までは、運賃無料としています。

 スンチャントル大臣によれば、さらに5月29日にバッタンバン―プルサット間を開通させるとのことです。また、ポイペト−プノンペンの北線は18年中に全線開通させたいとしています。

 鉄道北線は、プノンペンと、タイ国境のポイペトを結んでおり、ポイペトから国境を越えてタイ国鉄と連結しています。フランスにより1929年から建設されたものです。1970年代以降の内戦での損傷が激しく、2010年からアジア開発銀行等の支援を受けてリハビリ工事を行いましたが、途中で資金不足となり、政府予算で細々と改修工事が行われてきました。

 北線は開通したとはいえ、線路がつながっただけであり、信号設備は一切なく、自動踏切も全くないのが実情で、開通1カ月ですでに3件の自動車との衝突事故を起こしています。また、多額の予算が必要な橋梁の本格的改修等を今年中に全て実施するのは困難と見られます。7月の選挙を前にして、「開通」という実績をアピールする狙いもあるようですが、安全で快適な鉄道として本格的に営業するまでには、まだ時間を要するものと思われます。

【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社