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新興国ニュース

<新興国eye>タイ中銀、賛成多数で政策金利を据え置き―1人の委員が利上げ支持

2018-03-29 10:57:00.0

 タイ中央銀行は28日の金融政策委員会で、政策金利である翌日物レポ金利を6対1の賛成多数で1.50%のまま維持することを決めた。中銀は15年4月会合まで2会合連続で利下げしたあと、同6月から据え置きに転じており、これで23会合連続の現状維持となる。ただ、今回の会合では1人の委員が0.25ポイントの小幅利上げを主張した。

 中銀は金融政策決定会合後に発表した声明文で、政策金利を据え置いたことについて、前回2月会合時と同様に、「現在の金融緩和の政策スタンスは経済成長を持続させ、ある程度時間がかかるものの、インフレ率を物価目標(1−4%上昇)に近づける上で効果が期待されると判断した」と述べた。

 1人の委員が小幅利上げを支持したことについては、「金融緩和政策が長期化すれば企業や家計が金融環境は当面変わらないと信じ込む恐れがある。いま利上げしても今後のタイ経済の成長を阻害することはないと主張した」としている。

 景気見通しについては、「タイ経済は輸出拡大や内需回復により、一段と力強さを増しており、17年12月に予想した時点よりも高い成長率を達成する見通しだ」と楽観的な見方を維持した。一方、経済見通しのリスクについては、前回会合と同様に「地政学的リスクや米国の経済や貿易に関する政策の先行き不透明さがあり、注視していかなければならない」としている。

 インフレ見通しについては、「インフレ率は内需回復や17年以降の原油価格の上昇によって、前回予測時点よりもゆっくりとしたペースで徐々に加速していくとみられるが、(需要拡大によって引き起こされる)デマンドプルのインフレ圧力は依然として弱い」との見方を示した。ただ、「構造的な変化によってインフレが以前よりも一段と強い」とも付け加えている。

 また、中銀は3月時点の最新経済予測を併せて発表した。それによると、18年の経済成長率の見通しは前回12月予測時点の3.9%増から4.1%増に上方修正された。19年の成長率見通しは輸出の伸び(3.6%増)に支えられ4.5%増になるとしている。17年の成長率は3.9%増だった。一方、インフレ予測については、18年は従来予想の1.1%上昇から1.0%上昇に引き下げられたが、18年4−6月期に物価目標のレンジ内に戻るとしている。19年の見通しは1.2%上昇を予想している。17年のインフレ率は0.7%上昇だった。

 金融の安定については、前回会合時と同様、「金融の状況は全体的には依然として健全だが、今後、金融システムの脆弱性を高めるいくつかのリスクがある」とした上で、「それらの中には低金利の金融環境が続く中で投資家がより高い利回りを求める結果、新規株式公開でアンダープライシング(公開価格が低く設定され初値を下回ること)が起こる可能性、また、家計や中小企業の債務返済能力が低下することなどが含まれる」ことなどを挙げた。

 その上で、前回会合時と同様、「タイ経済の見通しは輸出需要に支えられて一段と改善したが、内需の回復力やインフレの動向を注視する必要がある。このため、金融緩和政策を維持することを決めた。われわれは金融の安定を確保しつつ、経済の持続的な成長を促すため、あらゆる政策手段を適切に組み合わせて実施していく用意がある」と述べている。

 次回会合は5月16日に開催される予定。

<関連銘柄>
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 上場EM債<1566>、上場MSエマ<1681>、アセアン50<2043>
提供:モーニングスター社