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新興国ニュース

<新興国eye>米産業保護政策によるベトナムの輸出産業への影響は限定的か

2018-03-28 13:46:00.0

 ベトナムの大手証券会社であるホーチミン市証券(HCM)は、米国の自国産業保護政策によるベトナムの輸出産業への影響度を限定的とした。

 ベトナムから米国への輸出額は総輸出額の20%だが、主要製品は縫製品や履物、携帯電話・部品と今回の課税対象ではないことから、米国の保護政策がベトナムの輸出活動に及ぼす影響はそれほど大きくないと見られる。

【大型家庭用洗濯機の輸入に対するセーフガード措置】
 トランプ米大統領は1月、大型家庭用洗濯機の輸入に対して緊急輸入制限(セーフガード)措置を発動する大統領布告を発出した。洗濯機本体に課される1年目のセーフガード関税は、120万台以内の輸入に20%、120万台以降の輸入には50%となっている。

 ベトナムから米国への洗濯機の輸出額は15年の79万5000ドル(約8400万円)から16年に1億6670万ドル(約175億円)、17年1−11月期には5億3770万ドル(約560億円)へと急増した。ベトナムは米国にとって最大の洗濯機輸入元国であるため、今回の課税がベトナムの洗濯機輸出に及ぼす影響は無ではない。

 しかし、17年の米国への洗濯機輸出額が総輸出額に占める割合はわずか0.28%であることから、セーフガード関税により洗濯機の対米輸出額が30−40%減少しても、総輸出額の減少額は0.1%にとどまると試算される。

【ベトナム産チャ魚に反ダンピング課税】
 米商務省(DOC)は、ベトナム産チャ魚(ナマズの一種)の冷凍切り身が米国内に及ぼした影響を調査(対象期間:15年8月1日−16年7月31日、通称POR13)し、その最終結果を発表した。これにより、ベトナムのチャ魚輸出業者11社が反ダンピング課税の対象となり、1キロあたり3.87−7.74ドル(約406−810円)が課税されることになる。

 ベトナム水産加工輸出協会(VASEP)によると、17年における米国へのチャ魚輸出額は前年比11%減の3億8700万ドル(約410億円)で、チャ魚の輸出額全体の21.7%、輸出額全体の0.18%を占めた。

 米国がこの反ダンピング課税を維持し、今年9月から適用した場合、ベトナム産チャ魚の対米輸出額が50%、総輸出額が0.1%減少することになる。

【鉄鋼・アルミ輸入課税】
 トランプ米大統領が、米国の鉄鋼業界保護のため、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の輸入関税を新たに適用する方針だ。

 HCMによると、ベトナムの総鉄鋼輸出額に占める米国への鉄鋼輸出額の割合は1.1%、総輸出額に占める割合は0.2%と低い。米国の関税導入による国内鉄鋼業界および輸出業界への影響度はさほど大きくないものとみられる。

【筆者:Viet Economic Research&AdVISory Corp.(VERAC)】
2002年ベトナム・ホーチミン市で創業。「ベトナム株・経済情報」「VIETJOベトナムニュース」、「VIETJOライフ」の自社媒体を通じ、経済、金融情報を中心に毎日数十本のベトナム関連記事を配信する。業界で唯一、全上場企業740社超の日本語企業データベースを保有。また調査可能な非上場企業のユニバースは22万社を誇る。10年超にわたり蓄積した情報とネットワークを駆使した企業信用調査に強み。

*当該記事は外部執筆者により作成されたものです。記事は執筆者が信頼できると判断したデータなどにより作成いたしましたが、その正確性などについて保証するものではありません。

提供:モーニングスター社