youtube fund_beginer fund_search fund_look

新興国ニュース

<新興国eye>日本政府、カンボジア・プノンペンの送電網整備に92億円の円借款供与

2018-02-09 11:04:00.0

 1月29日、日本の外務省は、カンボジア・プノンペンで実施された中根一幸外務副大臣とフン・セン首相との会談において「プノンペン首都圏送配電網拡張整備計画(フェーズ2)(第二期)」の円借款の供与(供与限度額92億1600万円)に関する事前通報を行ったと発表しました。今後、円借款の供与に関する交換公文締結、借款契約調印が実施される予定です。借款の供与条件は、金利0.01%、償還期間40年(うち10年は据置期間)という大変譲許的なものです。

 今回事前通報されたプノンペン首都圏送配電網拡張整備事業では、電力需要が集中する首都プノンペンにおいて、変電所の新増設、送配電線の整備及び系統安定化装置等を導入するための資金を融資します。15年3月に第一期として円借款を供与(供与限度額38億1600万円)しており、今回はそれに続く第二期の融資となります。

 この事業により、送変電・配電設備の容量不足が解消され、日本の約100倍以上となっている一戸あたりの停電回数と停電時間が格段に減少し、人口170万人を抱えるプノンペンの電力供給の安定化が図られます。送電ロスについても約10%削減し、気候変動緩和に資することが期待されます。また、カンボジアでは、プノンペン近郊の経済特別区を中心に日系製造業の進出が増加しており、入居する日本企業にも利をもたらすことが期待されるとしています。

 米国やEU(欧州連合)は、最近のカンボジアの政治状況に関連して援助を絞る方向ですが、カンボジア政府はその穴埋めを中国に頼っています。他方、アジア開発銀行等の国際機関、日本、フランス、インド等は、支援を継続しつつ、カンボジア政府との対話を深める方向と見られます。

【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

◎当該記事は外部執筆者により作成されたものです。記事は執筆者が信頼できると判断したデータなどにより作成いたしましたが、その正確性などについて保証するものではありません。

提供:モーニングスター社