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<新興国eye>カンボジアも移転価格税制を導入
2017-11-24 13:46:00.0
10月10日、カンボジア経済財政省は、移転価格税制に関する省令を公布し、即日発効されました。移転価格税制とは、利益を移転する目的で通常価格とは異なる価格で関係企業間取引を行った場合に、通常価格を適用して課税することを言います。よくある例としては、海外の子会社から本社に製品を通常よりも安い価格で販売して、本来であれば子会社の利益であったものを本社側に移転することです。本社が日本で、子会社がカンボジアですと、本来カンボジアで課税可能であった税金を取り逃がすこととなります。このような状況を防ぐために、移転価格税制を導入するものです。
今回の省令では、カンボジアの納税者と国外関連者間の取引における移転価格の算定と検証について、経済協力開発機構(OECD)の移転価格ガイドラインに準拠するとしています。OECDで認められた5つの移転価格算定方法(独立価格比準法、再販売価格基準法、原価基準法、取引単位営業利益法、取引単位利益分割法)に基づき、移転価格が適正なものであることを示す文書を作成して税務当局に提出することが求められています。なお、詳細については、まだ不明瞭なところもあるものと見られ、今後の実際の適用状況が注目されます。
最近、日本を含めて主要各国では、海外企業等を利用した課税逃れを防止するための措置を強化しています。カンボジアのような新興国は、この種の制度が不備であることも多いため、今後着実に法規則の整備・強化が実施されていくものと見られます。
【筆者:鈴木博】
1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。1982年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。07年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin−Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。
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