やさしい株式投資の話
第26章 より適正な株価とは?
適時開示(タイムリーディスクロージャー)とは、会社の現況や将来に関する重大な事項が明らかになったとき、会社はすぐさまそれを発表して投資家の判断材料にすることをいいます。それによって会社の現在の実情がはっきりしたり、将来にわたる展望やリスクが投資家に伝わり、その情報を織り込んだ株価形成がなされることになります。
会社にとって、不利な情報はなるべく隠しておきたい、なるべく後に発表したいというのでしょうが、発表によって一時的に株価が下落したり、企業イメージが悪化したとしてもしかたありません。それより重要な情報が証券市場に伝わらなければ、その間の株価は間違った情報によって作られているわけです。株主はもちろん経営者も株主代表訴訟により損害賠償を支払わなければならないケースも出てきます。
適時開示はそもそもその元となる情報が正しくなければ意味がありません。JSOX法の施行により、会計監査制度の充実と企業の内部統制強化が図られました。これは事業年度ごとに、企業やその集団の情報の適正性を確保するため必要な体制について評価した報告書(内部統制報告書)を有価証券報告書とあわせて内閣総理大臣に提出しなければならないというものです。そしてこの報告書は公認会計士か会計監査人の監査証明を受けなければなりません。
またインサイダー取引という犯罪もあります。「会社関係者」が「その会社の株価に重大な影響を与える重要事実を知り」、「公表前に」「特定の株の売買等をする」と5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、あるいはその両方が課されます。
このインサイダー取引は公平性という観点からだけでなく、横行を許すと証券市場に対する信頼性が揺らぎ、極端な場合には市場が消滅してしまいます。誰だかは分からないがインサイダーがいると分かっている場合、疑心暗鬼になり、取引が成立しない危険性があるのです。
なお、内部者取引ではありませんが、風説の流布も法令違反です。




